独学、迷い、失敗
ツインソウルについて、自分なりに学び始めた。
たくさんあるツインブログを調べたり、なるほどと思うことが書いてあったらノートに書きだして読み込んだり、セッションをやっていると聞いたら受けに行ったり、お店以外の時間はほとんどその学びに費やし、数か月が過ぎた。
いろんな情報を読んでいると、知識を得ることはできるが、情報がありすぎて取捨選択をすることが難しい。頭の中がいっぱいいっぱいでショートしてしまった。
誤解して解釈している部分もたくさんあった。
言っていることの意味がよくわからず、こういうことかな?って勝手に解釈して、思い込んでしまったりもした。
ツインソウルという言葉に惹かれて、このプログラムをたどる人たちにとって、何が一番大事なことか、よく考えればわかるのに、その頃の私は表面的にしかとらえられなかった。知識で得たものの、実際に体現することはできていなかった。
にもかかわらず、私は、彼と、別れと再会を繰り返していたために、「次に再会した時には統合するんだ!」と勝手に思い込み、知識に頼り、全てわかったつもりになってしまった。
早く統合したかった。このプログラムで成功して、この苦しみから逃れたかった。卒業したかった。
早く早く、と焦っていた。だって、これまでにかかってきた時間があまりにも長すぎるから。
とあるブログを読んで、統合するためには、私から告白したほうがよいのかと思い込んでしまい、彼に思いを伝えたい、という気持ちになった。
会って話ができればよかったのだが、思い詰めていたので、メールで告白した。
初めて会った時から好きだったこと、出会えたことに感謝していること、など。
そして返事が来たのだけど、私の「好き」という気持ちに返事はなく、彼自身の今の状況について話していた。海外で仕事をするのをやめ、日本で仕事することにしたと。
それで、私は自分がどうしたいのかを伝えてなかったことに気づき、お付き合いしたいことと、仕事や引っ越し先が落ち着いてからゆっくり考えて返事が欲しい、ということを再度伝えた。
その後、返事はなかった。
返事がないことが返事、とよく言うけれど、私はなかなかその事実を認められず、心底落ち込んだ。泣いた。Yes.かNo.か、どちらにしてもはっきり言ってくれれば、私の気持ちも踏ん切りがついただろうに、返事がないなんて。無視なんて。こんな結果を想像もしてなかったから、私の気持ちも宙ぶらりんで後にも引けず、先にも進めず、本当に辛く悲しかった。ツインソウルのプログラムを知って、早くも挫折。ツインソウルを知らなかった今までも散々辛くて泣いたけど、この時が最高に一番辛かった時期だったと思う。
ツインソウル鑑定をしてくれる人がいたので、見てもらったら、「彼とあなたはツインソウルですよ」と言ってくれる人がいて、心から救われた気持ちになった。
また、彼からの返事がもらえなくて落ち込んで、メールセッションで支えてもらった方もいた。
彼のことを考えるより、自分との向き合いをしっかりするべき、と、頭ではわかっているのに、悲しみが大きすぎてどんよりしてなかなかその穴から抜け出すことができなかった。それでも、気分で「お店休みます」なんて絶対に言えなかったので、頑張るしかなかった。
彼がツインソウルでないことも受け入れなければ。違う人がいるのかもしれない。でも、認めたくない。もう一度会いたい。でも、もう会えない。自分から、やりたいと思って行動したことなのに、こんな結果になって受け入れられず、後悔した。言わなければよかった。言わなければ、まだ会えるチャンスがあったのに。
自分の気持ちが落ち込んで、荒れているからか、お店のお客様も苦手なタイプの人ばかりが目について、イライラしたり、排除してしまったり、ミスが多いし、どうにもならなかった。
自分一人でこのプログラムを理解し、遂行し、統合するなんて、ムリだったんだ。
失敗してみて、ようやく理解した。
彼のことも、こんなになってまでも、無視されても、まだ諦めきれない。
ちゃんと、プログラムをやり直そう。
頭で理解するだけでなく、身体で体現できなければ意味がない。
少しずつ、自分を大切にすることとか、自分を信じるとか、素直な気持ちに従うとか、ないがしろにされたらちゃんと怒るとか、イヤなことはやめるとか、人をコントロールしないとか、その他もろもろ、日々の生活の中で感情が動くことをしっかり見るようになった。自分の気持ちに従って行動するように心がけた。できない自分も否定しないで認めるようにした。疲れた時には休むようにした。もちろん、ツインソウルを考えることに疲れた時も考えるのをやめた。
告白して返事がもらえず、落ち込んだけど、返事がないことは彼の自由であり、何かしらの理由があるのだろうから、そこは考えても仕方ない。
好きになってもらえなくても、私はまだ好き。それも仕方ない。
まだ学ぶことがあるから、会えないのだろう。
段々、本格的にこの学びを極めたいと思い始めた。
そして、自分の心に従って、彼にメールしてみた。とても勇気が要ったけど、まだつながっていたかったから。返事は来るかどうかわからないけど。自分で納得したかったから。「元気?最近はどんな感じ?」って言うような軽いメール。告白したことには触れなかった。(ずるいかもね。)
そしたら、しばらくして、彼から返事が来た。めちゃくちゃ嬉しかった。
近況報告。友人と会社を興して頑張ってるよ、と。
本当に心から安堵した。まだ、つながってていいんだと。泣けてきたよ。感謝したよ。
彼からのメールをもらって、私も決心したよ。
ちゃんと、ツインソウル、先生についてしっかり学ぼう。
独学では限界がある。今の自分の位置がわからないし、もう失敗したくないし。
横道にずれてしまったり、同じところで足踏みしてても、自分一人では修正できないから。彼がいてくれたおかげで、本気で学ぶ決心がついた。いなければ、振られた時点で諦めていたと思う。まだかすかな希望をつないでいきたかった。
ツインソウルを学び始める
占い師さんから、初めて聞いた「ツインソウル」という言葉。
今まで、彼のことは諦めた方がいい、他に出会う人はいるはず、とさんざん言われてきて、そのたびに落ち込んでいたのに、初めて、「諦めるのを諦めたら?とことん好きでいたら?」と言われ、すがるようにしてこの言葉にはまってしまったのは、ムリもないことだったと思う。
初めて、「2人は何か特別なつながりがあるのでは?」と認めてもらえたような気がして嬉しくなってしまった。
ツインソウルとは何か、と調べ始めた。
あまりにもたくさんの、ツインソウルブログがあって、何が本当なのかよくわからない。その中で、ツインソウルを応援する企画というブログがあって、これが基本なのかなぁと思えるものがあった。たぶん、多くのツインソウルという言葉に惹かれる人が目にしているブログではないかと思う。
いくつかの段階があって、出会いから、別れがあって、お互いの成長があって、再会があって、統合するという。
私はこの内容を読んで、まさに自分が通って来た道が、これに当てはまると思ってしまった。なんで、こんなに諦められないんだろう、他の人を好きになれないんだろう、って思ってたけど、ツインソウルなら当たり前のことなんだ。いろんな示されてる条件も合うものがある。私はこれに違いない。なんて思った。
彼と出会ってから、別れと再会を繰り返し、この言葉に出会うまで約8年。長いー。
長すぎる。なんでこんなに知るのが遅かったんだろう。もっと早く知りたかった。
お店開店する前に知ることができたら、自分の夢を叶えることで成長し再会があって統合するというパターンではだめだったの?
ここから一からやり直し?ここから成長してさらに自分のやるべきことが見つかるというの?お店を開くということが最終目的ではなかったの…。ちょっとため息が出た。
出会うタイミングは完璧、というから、間違ってはいないのだろう。
私の場合は、このタイミングが一番、自分が学ぶために良いタイミングだったのだろう。初めて自分自身と向き合うこととなる。まぁ、今までは目の前のことでいっぱいいっぱいで、そんなこと真剣に考えたことなかったからなぁ。こんなことがなければ、自分と向き合うなんて、思いつきもしなかったことだろう。
「ツインソウル」という言葉に惹かれる人は、大変な思いをしている人が多いという。(大変な思いをしてない人なんていないと思うけど。)
ツインソウルという言葉を知ってしまったがゆえに、それにはまり、彼軸で生きてしまう人が多いと思うが、そこから、自分最優先に生きる自分軸で生きる人生に変えるということこそが一番難関なのではないかと私は思う。
だって、彼が本命のパートナーだと信じているからこそ、執着を手放せないよね。その握りしめた手をなかなか放すことができない。本当は信じていたら、どうあっても大丈夫と思って、手を放しても大丈夫、きっと彼は私の所へ戻ってくる、って信じられるようになるんだろう。
仕事もがむしゃらにやりすぎ、彼のことも諦められずにいっぱいいっぱい、コンプレックスを抱えて自分嫌いで自信が持てない、もっと楽に生きたい。がんじがらめになっている状態で、ツインソウルを知って、少し救われた気持ちになって、のめりこみ、毎日情報を集めては、統合とは?宇宙の法則とは?魂の成長とは?などと、スピリチュアルの世界に救いを求めた。彼とのことをどうにかしたくて、統合するにはどうすればいいのか教えてもらいたくて、成功者を探した。
たくさんのブログの中で、読んでいて不安になるようなものがあったり、統合したという人たちのものを読んでホントかな?と思うものもあり、さまざまだった。
自分の経験を話している統合前の人たちが、こういう時はどうしたらいいのか、これはしてはダメなのか、とか思い悩んでいる。そして「お互い頑張ろうね」って、みんな必死なのが伝わってくる。
何人か連絡を取って話をしてみるが、ピンと来ない…。
本当に成功者なんているのかな?
でも、ツインソウルの言葉を知ってから、1か月半後、やっと、成功者で、パートナーと一緒にいるよ、という方を見つけた。
その人のブログは、とても読んでいてとても温かく感じ、心にしっくりくる。どの人に対しても否定をせず、前向きになれるような言葉をかけていた。そして明快な解釈をしていた。そういう人が愛をベースに生きている人だと思った。その人のブログに辿り着けたこと本当に感謝した。毎日、過去ブログからさかのぼって読んで学んだ。
変わるきっかけ
毎日全力でお店の営業を頑張っていたよ。
なんとかお客様が少しずつついてきて、落ち着いてきて、ちゃんと維持できている。
やりたいことはやれている。
でも、経営にも生活にもあまり余裕はなく、しびれやこわばりなど身体の不調は続いていた。
なんで、やりたかったことをやっているのに、こんなに辛いんだろう、どうやったらここから抜け出せるんだろうって思っていた。
こんなに頑張っても楽にならない…。このまま一生頑張り続けなければならないのかな。息が持たないな、とも思っていた。もちろん、お店を辞めたいとは思わなかったし、このまま続けるんだろうなと、わかってはいたけれど。もう少し楽に楽しくできないものか。
お客様との会話は楽しかったし、お客様が良い時間を持てていると思うとホッとしたし、頑張ってるねって褒めてくれると嬉しかった。
そんな頃、また、突然、彼が来店してくれた。
本当にびっくりした。もう会えないと思っていたから。嬉しかった――。
なんと前回の来店から3年が経っていた。
海外から帰ってきて、私のお店の周年記念のはがきを見て、来てくれたんだ。
いつかまた来てくれるかも、と思ってはがきだけは毎年実家に出していたんだよね。
「3年も頑張ったんだ、すごいねー!」って何度も言ってくれた。
嬉しかったし、ありがたかった。その言葉のために頑張ったんだもん。
そして近況報告、彼の海外での仕事や生活など聞いた。自由にやりたいことやって楽しそうでいいなぁ。フットワーク軽くどこへでも出かけて行って、頑張ってて、楽しんでる。本当にそんな生き方に憧れるよ。
ビザのトラブルで一時帰国しなければならなくなったが、また手続して海外に行く予定とか。数か月は日本にいるとのことだった。日本にいる間にまた会えるかな…。
そうそう、メール送れなかったことを話した。
間違ってたみたい、って言って、彼の目の前でメールしてみたら、なんと送れたんだよ。なんで今まで送れなかったんだろう、今でもわからない。本当に不思議。
彼の方でも、海外から私にメールをしてくれたらしいのだけど、やっぱり送れなくて返ってきてしまってたって。
本当に神様のいたずらなのか、連絡が取れなくて、どこにいるか、何をしているのか全く分からなかった3年間だった。
いやしかし、なんか夢みたいで。また会えるなんて。
やっぱり、私の頑張るパワーの源として、時々会えたらいいのにな。
彼女さんとの結婚はどうなったのか、怖くて聞けなかった。指輪はしてなかったのが救いだった。
ひとしきり話した後、帰って行った。
せっかく、彼のことを思い出す日が少なくなってきて、薄らいできたかと思ったのに。顔を見たらやっぱり気持ちが再燃してしまった。寝た子を起こしてしまった感じ。
この日本滞在中に、何度かお店に来てくれた。
思い切って、写真をお願いしてみた。初めて2ショット撮らせてもらったよ。
そして、写真を見るたびに切なくなって。
もし、彼女さんと結婚してしまったら、その後に気持ちを伝えることはできなくなってしまう。一生言うまいと思ってたけど、もし、万が一のことがあった時、気持ちを伝えなかったことを後悔しないだろうか?
と思ったら、今までの思いがぶわーっと上がってきて、ダメだとはわかっているけど、知ってもらうだけでもいいから、自分のために伝えたい、と思い始めた。
彼にとっては迷惑な話だと思うけど。
諦めるためにちゃんと告白して振られよう、と思ったんだ。本当に、思い詰めて、どうやって言おうか考えて頭グルグルしてた。
そうして、「話したいことがあるのでもう一度お店に来てほしい」とお願いした。
彼は来てくれた。忙しいと言って断らなかったのがすごいなと思う。
何の話かは察していたかもしれない。会って仕事の話とかしていて、なかなか切り出せなくてモヤモヤしていた。が、途中で、彼女さんの話になった。なんと、別れたというではないか。びっくりだった。とても長い年月お付き合いしていて、結婚話も進んでいるものと思っていたから。まさか、そんなことになっていたとはこれっぽっちも思ってなかった。
心臓がバクバクした。
そんなことなら、今、わざわざ告白して振られることもないんじゃない?
この先だって、会えるかもしれないよ。
一大決心して告白しようと思っていたのに、すっかり気持ちが抜けてしまった…。
わざわざ「話があるからお店に来て」と呼び出しておいて、世間話で終わってしまった。彼にとってはホッとしたかもしれないね。
本当は、その時に思い切って言ってしまったらよかったのかもしれない。でも言ったら、振られてつながりが切れてしまうかもしれないと思うと怖くて言えなかった。言わなかったら、まだつながっていられるかもしれないんだもんね。
私の気持ちはとても複雑だった。彼のことが大好きで。
彼がフリーでいてくれるのはとても嬉しい。でもだからと言って自分が彼とお付き合いできるかと言ったらまるで自信はなかった。
コンプレックス抱えて自信のない私は、彼とは不釣り合いで、お付き合いして彼の横に立っている自分を全然イメージできなかった。女性として好きになってもらえる自信はなかったし、自分をさらけ出す勇気もなかった。年もだいぶ違うしね。やっぱり友達でいる方がいいんだよ、と言い聞かせた。親友みたいになれたら一番いいのにな。
もし、彼に新しい彼女さんができて結婚してしまったら、と思うとやるせなかった。
お店も忙しくて目一杯で、全く余裕がなかった所に、彼との再会でさらに気持ちが再燃し、気持ちも頭もグルグル上がったり下がったり堂々巡り。この先、どうやって自分を立て直したらいいのかわからなくなって、占いに行ってしまった。以前にも伺った占い師さん。
そこで、「彼を諦めることができないのなら、とことん好きでいたらいい。諦めることを諦めたら?もしかしたら、あなたたちはツインソウルかもしれないね」と言われた。
初めて「ツインソウル」という言葉を知った。
ツインソウルって何?
ネバベキ人間
長年の夢を叶えて、自分の店をオープンさせたが、楽しむ余裕は全くなかった。
とにかく軌道に乗せなければ。お客様に来ていただかなくては。
自営って、自分が想像していたよりはるかに大変だった。
一日のほとんどの時間、お店にいて、やることがたくさんあって、全て自分一人でやらなければならないので、辛くても投げ出すわけにはいかなかった。一年目は、自分が座る椅子さえ買ってなかった…。そんな座る余裕なんてなかった。
自分の事よりお客様最優先だった。
お客様の無理難題にもできる限り応え、「No」と言うことはほとんどなかった。
朝早くから店に来て、家に帰るのは午前様になることも多々あった。帰って寝るだけ、のような生活。週休一日。
自分では、体力や持続力はあるつもりでいたけれど、そんな生活が続いて、だんだん身体がおかしくなってきた。
朝起きると腕がしびれて、指がこわばってしばらく曲がらない。腱鞘炎にもなりかけている。背中は痒くて仕方ない。
こんなになってもまだ無理していることにも気が付かなかった。やって当たり前と思っていたから。
毎日こなすのだけで精いっぱいで、自分の事にはかまってられなかった。
常に、やらねばならない、やるべき、頑張るべき、というネバベキ人間だった。
忙しかったお陰で、彼のことも少しずつ忘れられそうな感じだった。
たまにふと、今何してるかな、どこにいるのかな、と思い出してはメールしてみたが、届かず返ってきてしまっていた。せっかく教えてもらったメアド、間違ってたみたい…。どうしようもなかった。
オープン時に彼がお店に来てくれた後、やっぱり少しだけ占いに行ってしまった。
言われることはだいたい同じで、「友達としての縁はあると思うけど、結婚はないね。」と。まぁ、仕方ないね…。
一度会えただけでも充分だよ。これ以上望んではいけないよね。本当はまた会いたいけど。彼がやりたいことやって、幸せでいてくれたらいいな。またいつか日本に帰って来た時には、お店に立ち寄ってくれたらいいな。薄い希望だった。
とにかく、この頃は、お店を軌道に乗せることに集中して、やるべきことに追われ、忙しくて、身体もギシギシ、ガチガチに凝り固まり、自分の時間は全くなく、辛くても走り続けなければならなかった。
お客様最優先だったし、占いにも頼ってたし、彼のことも思い出していたし、まるで自分自身がないことには変わりなかった。
満たされた時間
3年半ぶりに会う。
本当に長かった。人によってはもっと短く再会する人もいると思うが、私は占いにはまっていたり、開店準備に取り掛かるのに気持ちが決まらなくてウダウダしてたから、時間がかかってしまったよ。
久しぶりに、目の前に大好きな彼がいることが信じられなくて、ものすごく動揺してたし、舞い上がっていた。どんなにこの日が来るのを待ちわびていただろう。
お互いの近況報告。
彼の海外での仕事や生活について。海外のいろんな写真を見せてくれて、楽しそうに話してくれた。彼の笑顔が素敵で、見てるだけで嬉しくて笑いだしそうになる。懐かしい声が聞けて幸せ。たくさん話してくれたと思うけれど、気持ちがいっぱいいっぱいで、あまり覚えていない。数か月日本にて、その後はまた違う外国に行く予定と言っていた。彼女さんとの結婚の事も「そろそろ考えないといけないなぁ、でも面倒だなぁ」などとぼやいていた。きっと、まだまだ海外飛び回って仕事して頑張りたいんだろうね。
営業中で、他のお客様もいて忙しかったため、ゆっくり話ができず、じれったかった。
帰りに、今電話番号がないから、とメアドを教えてくれた。そして「またね!」と言って帰って行った。嬉しすぎる。まだつながっていていいのかな?ホッとしたよ。とても満たされた時間だった。
彼が帰った後もじわじわと幸せをかみしめていたが、現実を見ると厳しかった。
どんなに彼を好きでもどうにもならないなぁと改めて感じた。
元々お店開店は夢だったけれど、彼に会いたいがために頑張ったようなものだから。
夢を現実化するために、本気でパワー出すためにいてくれた人だと思う。彼がいなかったら開店できてなかったと思う。頑張ったご褒美に彼に会わせてもらえたのだと感謝して、これで諦めようと思った。
もう会うことはないのかもしれないな。私は彼を想って一生独りかもしれないな、とも思った。忘れられるかどうか自信ないな…。
気持ち切り替えて、私はお店を軌道に乗せなきゃいけない。
がむしゃらに頑張るしかない。軌道に乗せるまで3年はかかるかなぁ。
それまで、パワーの源としてまだ彼の存在が必要だなぁ、なんて勝手なことを思っていた。またいつか会えたらいいのに。
パートナーとしてのお付き合いはできないと思うけど、せめて友達として長く付き合っていけたらいいのになぁ、と思った。
しばらくして、メールしたが、返事は返ってこなかった。
忙しいのかな、もう海外へ行っちゃったかな。
彼女さんがいて、私のことなど重要ではないだろうから、返事なくても仕方ないか…。
私はお店頑張ろう。
もう追いかけるのはやめよう。もう十分だ。ご褒美頂いたのだから。
切り替えていこう。と自分に言い聞かせた。
そうしてまた忙しい日々が過ぎていった。
ご褒美
本当に、夢が現実となる。
物件を契約してから、設計会社さんの工事が始まり、あっという間に店が出来上がっていった。
自分の心が追い付かないまま、現実なのに、まだ夢を見ているような気分。
自分でやる、という意識がまだ整っていなかった。工事を見てワクワクしていた。
店舗が出来上がり、電化製品を入れ、備品が揃い、仕入れをし、開店のチラシを配り、友人知人達に開店のお知らせのはがきを出した。
もちろん彼にも出したよ。ようやくこのお知らせを出す時が来たのだ、と感慨深かった。
(余談になるが、彼が海外に仕事に行く前に、ご飯に行く話があったが、それは叶わなかった。私も忙しくなったし、彼もいつのまにか海外に出立していたようだ。連絡は取れなかった)
今、彼はどこで何をしているのかわからないけど、無事に彼の元へ届きますように。
来てくれるかどうかはわからないけど、チャンスはあるよね。
後は神様に祈るのみ。ご縁があるなら、来てくれるだろうし、ないのならそれまで。
余りにもたくさんやることがあって、目が回るような忙しさだった。
プレオープンの期間を経て、グランドオープン。
感動もそこそこに、お店の日常が始まった。
正直なところ、今振り返ってもあまりよく覚えていない。
一生懸命、ただ毎日を過ごす。お客様に尽くす。できる限りのことをする。
慣れるのに必死。ワンオペなので誰にも頼れず、とにかくやるしかなかった。
夢がかなって嬉しいけど、それに浸る余裕はなかった。
思っていたより大変だった―。
そうして数か月過ぎて慣れてきた頃、なんと、彼がお店に来てくれた!
夢にまで見た再会。一瞬頭が真っ白になって、理解するのに時間かかったと思う。
本当に心からビックリしたし、嬉しかった。それこそ夢のようだった。
彼が前の店を辞めて、会えなくなってから、再会するまで3年半が経っていた。
神様、再会させてくださってありがとうございます!!
神様にも、彼にも感謝感謝だった。
神様が、長年の夢を叶えて頑張った私に、ご褒美をくださったのだと思った。
決断すると現実が動いていく
なかなか不安から行動できなかったりするのだが、ちゃんと自分の心の声を聞いてみると、望んでいることがわかる。
今までの体験と現状維持のままでいいのか、それとも望む未来に勇気をもって挑戦していくのか。挑戦が怖い時、「今の状態が続くことを、自分は後悔しないのか?」と聞いてみるといい。「やらなくていいのか?」と。
もし、やらないまま、時間が過ぎ、年を取って体力気力が落ちて、「やっぱりできなかった」って言って後悔しない?
私は後悔したくなかった。失敗したとしても、挑戦したことだけは「よく頑張ったね」と自分に言ってあげたかったし、自分が納得したかった。
好きだった彼のことは忘れようと思って、もう連絡しないでおこうと思っていた。
でも、気持ちは全然忘れられてなかった。
長い間連絡はしなかったが、あるお正月にお年賀メールをしたんだ。
ただの昔の同僚が急に連絡したら、変に思うかな?なんて思って、ちょっと勇気が要ったよ。でもお正月の挨拶くらいは許してくれるよね。
お互い近況報告をした。これから彼は海外で仕事をする予定と言っていた。私は開店準備をしていることを伝えた。「頑張って」と彼が言ってくれたから、頑張れそうだ。
ちゃんと連絡が取れて、返事が来て、つながっていられたことに感謝した。
彼が海外に行く前にちゃんと連絡が取れてよかったし、海外に行く前に、「一度ご飯に行こうね」という話にもなった。嬉しい!また会えるチャンス。
それがどんなに私のモチベになったことか。
頑張ろう。
さて、その後もしばらく物件探しを続けていたが、なかなか見つからず気持ちが疲れてきてしまっていた。もういい加減決めたいのに。
おしゃれなカフェが似合うエリアを諦め、家の沿線近くのエリアに変更し、最初に見つけた物件を見に行った。
今までその駅で降りたことはなく、どんな町かもよくわからなかった。
一度見て、ピンとこなかったのでお断りした。
しかし、後から段々、「本当に断ってよかったのかな?」と思い始めた。ちょっと未練が残っていた。
後日、また見せてもらいに行った。設計事務所さんにも相談して見てもらった。
工事費を考えると足りなそうなので、融資を受けることになりそう。
だけど、その書類を作るのも大変。というわけで、設計事務所さんからコンサルタントさんを紹介してもらった。金額は厳しかったが、自己投資と思って、思い切ってコンサルタントさんに依頼した。全部一人でやらなくても、できないことはできる人に頼ればいいんだな。「できないことは何でも私に丸投げしてください」と言われてすごくホッとした。一緒にやってくれる人がいるというのはとても心強い。
なんだか、あれよあれよという間に話が進んだ。この物件に決め、コンサルタントさんの力を借りて、融資を受ける書類を作成してもらったり、設計をお願いしたり、どんどん動いていく。親にも少し援助をお願いした。これも勇気が要った。
ちゃんと、自分の不安と向き合い、「現状維持で何もしないより、怖いけど不安だけどやっぱりやってみたいんだ」と気持ちを決めたら、現実は動いて行った。ちゃんとそのタイミングで物件が見つかり、助けてくれるコンサルタントさんが現れたり、融資を受けられたり、夢が実現するってこんなに一気に進むんだなって思った。
大金を振り込むときには手が震えたよ…。
やっていけるかどうかなんてわからない。でも、「やりたいことはできることになっている」「本当にやりたいステージに立った時、お客様がいないということはない」という言葉(byバシャール)を信じようと思った。
彼の「頑張って」という言葉も大きな力となったよ。
いよいよだ。長年の夢が現実になる。